花巻が守った100年以上続く伝統の味。それが、佐々長醸造の味。

sasacho02

早池峰山の湧き水と100年以上の歴史が作る、花巻の誇り

創業明治39年。先代が築いた100年以上の歴史と伝統を守りつつ、新しい変革に挑み続けている蔵元。
それが花巻の誇る老舗醸造元「佐々長醸造」だ。
佐々長醸造で作られる味噌と醤油、めんつゆにはここでしか生み出せない独特の深いコクがある。
その秘密は、仕込み水に隠されている。あの宮沢賢治も登った日本百名山の一つである霊峰「早池峰山」(はやちねさん)の湧き水が使われているのだ。雪解け水が地下に浸透し、400年もの年月をかけて自然にろ過されたマグネシウムの豊富な水が風味の豊かさを生み出している。
もう一つの秘密は、醤油や味噌を熟成させるために使われる木桶にある。
木桶は100年以上前に造り酒屋でつかわれていたものを、初代の社長「長助」が譲り受けたものだ。
木桶には佐々長の味を作り出す何十年にもわたり培われた酵母菌が浸み込んでおり、昔から変わらぬ味を守ってくれている。まさに佐々長の財産だ。
また、伝統の味を守るだけではなく、新たな味を作り出すための挑戦にも取り組んでいる。
今回は佐々長醸造のめんつゆ・味噌のこだわりや今後の挑戦などを、佐々木洋平さんに伺ってみた。

sasacho03

熟練した職人が生み出す、機械では作り出すことの出来ない味

佐々長の商品の中でも売上額が高いと言われているのがめんつゆである。
復興庁主催の「世界にも通用する究極のお土産10選」で東北6県496品のノミネートから、ベスト10にも選出されたほどの実力だ。佐々長醸造のめんつゆは機械ではなく、熟練した職人が手作業で作り上げている。
「窯の中のかつおぶしを職人がゆっくりかき混ぜる昔ながらの作業が、機械では作り出せない味を生み出しているんですよ」と佐々木さんはいう。
職人がつゆの表情をみながら、その時の状況に合わせて複雑に動きを変える。
それにより、機械には作り出せない旨味が出るんだとか。
「毎日同じ動きをして同じダシが取れるわけではない。その時の味を見て手を加えながらかつおぶしの旨味を最大限にひきだしてあげるのが大事」そう語る佐々木さん。
機械でやるのは簡単。しかし、手をかけているからこそ生み出せる付加価値がある。
作り手の想いと熟練の技が作り出す味こそが佐々長のめんつゆだ。
また、味噌については材料・水・技術だけでなく、音にもこだわりがあるという。
実際に蔵の中に入って見せてもらった。

sasacho04

佐々長醸造株式会社|佐々木洋平様

クラシックを聞いて育った、ベートーヴェンも驚く「究極のお味噌」

一歩、蔵に入ってみると4台のスピーカーから流れるクラシックメロディ。
並べられた40体の木桶がクラシックを聞いているのは驚きの光景だ。
「うちではベートーベンの「田園」をお味噌に聞かせてるんですよ。これによって風味が増すんです」と佐々木さん。
そう、佐々長醸造の味噌はべート―ヴェンを聞いて熟成された「クラシック味噌」なのである。
クラシック味噌をつくりはじめたのは、今から20年以上も前の事。
”お酒の酵母にクラシック音楽を聞かせると美味しくなった”というのを当時の社長がテレビで見て、これは味噌づくりにも応用できるのではないか?と思いついたのがきっかけとか。
最初は半信半疑だったものの、ある実験で確信に変わったそうだ。
あるとき社員に、クラシックを聞かせた味噌と聞かせていない味噌を何も伝えずに比較してもらい美味しい方を選んでもらった。その結果、9割の社員がクラシックを聞かせた味噌を選んだという。クラシックの独特な波長が振動になって木桶に伝わり、中にいる微生物に刺激を与えて発酵をうながしているそうだ。
最近発表された海外の研究でも、音楽の振動によって植物や生物になんらかの影響を与えるという効果が実証されているらしい。蔵の中ではこの優雅で柔らかなクラシックが24時間流れている。
メロディの波長や何を聴かせるかによって毎年の味は変わってくる。
田園を聞いた今年の味噌は、どんな仕上がりになるのか楽しみである。

sasacho05

伝統の味を守りつつ、新しい可能性をもとめて。

今後の展望について、佐々木さんはこのように語る。
「創業者が築き上げてきた伝統を守りつつ、まだ誰も手をだしていない分野にどんどん挑戦していきたい」
実際に地元の牛乳メーカーとコラボをして作った”ヨーグルトにかける醤油”を作った際にはメディアで話題になり、数々のTV番組にも取り上げられた。
「味噌や醤油といえば和食の味付けに使われる調味料のイメージが強い。しかし今後は、それ以外の可能性もどんどん広げていきたい」コラボ第二弾として”ヨーグルトにかけるお味噌”はナチュラルチーズとの相性も良く、味噌の概念を変える革新的な商品だった。
古きよきものを大切にしながら、新しい変革にも挑み続ける。それが今の佐々長醸造である。
日本人の洋食化が進むなかで、和の心を大切にしながらも、時代に合わせた商品を作り出す。
佐々長醸造の商品は、まさに伝統と革新が入り混じった味だ。
そんな佐々長醸造の味噌・麺つゆ・醤油は、直営店の他に公式HPやAmazonで購入することができる。直営店では数種類の味噌が試食できたり、仕込み水に使われている早池峰霊水を無料で飲むことができる。
花巻に訪れた際には、ぜひ佐々長醸造で伝統の味を体験して欲しい。