農業を軸に、つながりの輪を広げる農家カフェ「ファームプラス」

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地産地消にこだわるカフェ。

花巻産の農作物を材料とした料理を提供する、地産地消の農家カフェ「ファームプラス」が、話題を集めている。
カフェを運営しているのは、「ガッツさん」という愛称で親しまれている平賀恒樹さん。
平賀さんが持つ畑で育ったキャベツや人参、さらに若手の農業仲間から仕入れた野菜や果物を使用した、
素材をダイレクトに感じられる料理が評判だ。
また、農業とカフェ運営のほか、「野菜を野菜で食べる」をコンセプトに、地産の野菜で造られた無添加の自家製ドレッシングの販売も行っている平賀さん。地元の若手生産者が立ち上げたプロジェクトにも複数参加するなど、本業以外の活動にも積極的だ。
今回は、平賀さんの営むカフェ、ファームプラスの紹介を通して、平賀さんのアグレッシブさの根底にある「人とのつながり」についても掘り下げていきたい。

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農業、人に接する仕事、どちらも叶えたい。

幼い頃から、祖父母の農業の手伝いをしていたこともあり、農業への関心は強かったという平賀さん。
農業とカフェの兼業を目指したきっかけについて、
「学生時代は飲食店でアルバイトをしていて、いつかは自分で飲食店を立ち上げたいと考えていました。
地元花巻に帰ってきてからもその思いは消えず、服の販売を通して接客を学んでいきました。」と教えてくれた。
平賀さんが地元花巻で就農したのは27歳のとき。自分で農作物を育てながら、カフェのオープンを目指し、レストランのアルバイトで料理と接客の経験を積んでいったという。
結婚後、賃貸のアパートから一軒家に引っ越したのをきっかけに、「この家でいつかカフェを開けたら」と、夢に向かって本格的に動き出すこととなった。
「カフェのオープンや手づくりドレッシングへの挑戦は、農業を通じて出会った仲間たちの影響が大きいです」と、
平賀さんは話す。
平賀さんは、奥さんの職場の知り合いをつてにひとりの農業仲間と出会う。その仲間の誘いで、農業のスキルアップや、花巻の農作物の魅力を発信していく「花巻農村青年クラブ」へ加入。さらにそのクラブの出会いから紐付いて参画した「はなまき朝ごはんプロジェクト」では、花巻の温泉宿の朝食を通して花巻の魅力を伝えていくという活動理念のもと、自作のキャベツなどを提供し、出会いの輪を広げていった。
就農してから出会ったたくさんの人々の協力のもと、2016年の10月、自宅を改装し、カフェ「ファームプラス」がオープンしたのだった。

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ファームプラス|平賀 恒樹 様

農業仲間との出会いが、味付けのアイデアに。

ファームプラスは、今年で3年目を迎える。 カレーやパスタなど、カフェのメニューには、平賀さんの育てた野菜がふんだんに使われており、訪れるお客さんの評判も上々だ。
「今後は自分の作る野菜をもっと充実させて、引き続きお客さんに提供していけたらと考えています」と、平賀さんは語る。
また、ファームプラスで人気を集めているのは、カフェのメニューだけではない。
2015年に、平賀さんが若手生産者と立ち上げた「どんまいプロジェクト」。
その活動の一環として製造・販売している自家製ドレッシングは、珍しい味付けによって話題となった商品だ。
たとえば、りんご×梅、またたとえば、にんじん×味噌、というように、通常わたしたちがイメージするドレッシングの味とは少し異なる食材のコラボが、平賀さんの自家製ドレッシングの定番となっている。これらの組み合わせは、平賀さんと、花巻で農作物を育てる農家の方との出会いから生まれている。
「出会った仲間の農家の野菜を活かしてドレッシングをつくろうと思ったら、こんなラインナップになりました」と笑う平賀さん。
「震災復興のためのセミナーに出向いたことが、ドレッシングづくりのきっかけになっています。そこで登壇者の方が『商品開発は自己表現だ』ということをおっしゃって。その言葉にピンときて、僕は生産者と農作物を輝かせられるような、野菜を活かした食品に挑戦してみたいなと思ったんです。」
現在は、このような平賀さんの活動を知った仲間の農家から、ぜひうちのぶどうを、うちのトマトをドレッシングに、と、たくさんのオファーが来ているそうだ。
今年4月には専用の工房も完成し、ドレッシングを始めとした加工食品づくりの環境も整った。秋にドレッシングの新しいラインナップを発売することを目標に、商品化に向けて実験を重ねている最中だという。
平賀さんと花巻を支える農家の人々との出会いによってどのような試みが生まれていくのか、今後がますます楽しみだ。

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消費者とのつながりも大切にしたい。

ファームプラスのドレッシングは、直売所ほか、花巻市内の食料品店、一部コンビニエンスストアでも購入が可能。
またファームプラスでは、カフェの定休日である日曜に一般の方々へ向けた農作業体験を実施している。
種まきや収穫体験を通して、農作業の大変さ、獲れたての野菜を味わう楽しさを感じてほしいという想いから始まったこの活動。現在は花巻市内のイベントや自然体験のツアーに組み混んでもらうなどして人々の目に触れる機会を広げ、消費者と生産者との新たなつがなりを生んでいる。
ひと汗かいたあとに食べる野菜は、きっと美味しさもひとしおだ。
ただ食事をするだけでなく、食材を育てること、収穫すること、料理すること。
「食」をいろんな角度から味わってみたい方は、ぜひ一度、ファームプラスへ。